新国立・ドンジョバンニ

新国立劇場にて「ドンジョバンニ」鑑賞。
いやぁ、良かった良かった。

今年の1月にフェリスの伴奏で全曲演奏してるのでストーリーはほぼ頭に入ってるし、音楽的&演技的なツボも把握してるので、いろいろな見方ができそう。

1幕終わりのバンダ3グループ、とてもよかったし、地獄落ち直前のドンジョバンニの食事シーンも木管8重奏のバンダだったけど、そういう指定だったっけ?

いままで見たオペラは大抵、主役がイマイチで脇役のうまさが光るものが多かった(たまたま?)のだけど、今日は脇役も優れてたし、なんといってもドンジョバンニの歌唱と立ち振る舞いは素晴らしかったですね。騎士長とドン・オッターヴィオにあと一歩なにか欲しかったですが。ドンジョバンニは、地獄落ちの時も毅然と立ち振る舞い、気がついてみると、この作品の登場人物の中で、絶対的な(明示的ではない)ヒーローとして光り輝いているんだなと思ったよ。
セッコ・レシタティーヴォは指揮者の弾き振り。ずいぶんと饒舌なセッコだったな。オケはちょっと、、。1stVnが5pultいるのに折り返しなしってちょっときつかったのでは。

いまフィガロに取り組んでるのでとても参考になりましたし、やっぱりMozartって天才ですわ。Mozartの天才性って一般的には「若い頃から、天翔るような音楽をちゃちゃっと苦も無く書いた」なんて一面だけで捉えられそうだけど、人間の機微を巧みにオペラの中に取り込んで、観客をすーっと登場人物の虜にするという点にあるように思える。Mozartオペラにおける長調アリアの、なんと切なくさびしいことか。。。

良いもの見ました。