うるさい

最近、街中がうるさい。

職場は品川にあり毎日品川駅の港南口に通っている。コンコースを出ると、毎日のようにフリーペーパーや旅行会社のチラシを配る声が響いている。特にフリーペーパーは最近盛んになって来ている事情もあり、顧客獲得のための甲高い声を聞くと、朝からうんざりしてしまう。その喧騒を過ぎるとビルに設置されている大きな「何たらヴィジョン」でビデオクリップやCMが音つきで流されている。これにもうんざり。

自宅最寄り駅に最近出来たラーメン屋では、軒先に小さなラジカセを置いて常にFMラジオを流している(出来た頃はラーメン屋なのに外で呼び込みしてた。これもうるさい)。
車のクラクションに、パチンコ屋の喧騒とネオン、駅構内のアナウンス(テープをさえぎって駅員がアナウンスするんだったら、テープいらないじゃん)、店頭で声を張り上げるチェーン系ドラッグストア、、。きっともうじき展開される選挙カー
電車の中で着メロが鳴ってても自分の着信だと気がつかない人(意味ないじゃん)。

なんで街中がこんなにうるさいんだろう。

去年ドイツ旅行で一番感じたのが、ドイツに着いたときの街中の静かさと、日本に帰国したときの妙なうるささだった。

ドイツ、ストリートミュージシャンはいるけど、声を張り上げて配るフリーペーパーもなし、外に向けて音を出して平気な店もない。車も決してクラクションを鳴らさない。慣らすときは本当に危険な時だけだからドイツでクラクションの音がするとほんとにびっくりする。人々も街中では節制のあるおしゃべりしかしない(そのかわりカフェやレストランに長居しておしゃべりを楽しむ)。なにも美術工芸音楽その他、、そういうものが文化じゃない、人々の毎日の生活、これが文化ってものじゃないか?

西洋音楽を演奏するときの、ピアノ/ピアニッシモの大切さ、休符を慈しむという感覚は、実は普段の生活の静けさから自然と醸し出されるものなのではないかと感じるようになった。普段うるさい中で生活している日本の都会人は、弱音に関する感覚が鈍くなると思う。

何回もドイツに行っているが、去年初めて「ドイツに住むのもいいかも」と思った。